スパウトは使わない方が良い?!

離乳食

最近、歯科や摂食・嚥下のリハの分野でスパウトや乳児用ストローマグの長期使用を避けるべき、という意見が増えています。
私自身は実際あかちゃん子育てのとき、3人とも「スパウトを嫌がる(うまく飲めない)子」でしたが、乳児用ストローマグは漏れないし、飲みやすいし、外出の時は頻用していました。


口腔発達の視点から、スパウトの位置付けについて、今日は解説していきます!

結論:基本は「スプーンがメイン」、スパウトは“必要な子に短期間だけ”

いきなり結論ですが、基本は「スプーンで水分摂取の練習」がメイン。
詳しく表にしてみましたが、スプーンとスパウトは目的が違うんですね。
嚥下の練習、という視点に立つと、スパウトは哺乳の延長であり効果的ではありません。

項目スプーンスパウト
主な目的嚥下(ごっくん)練習吸う練習(陰圧づくり)
飲み方舌でまとめて飲み込む(成人嚥下の入り口)吸啜(きゅうてつ)運動を維持する
発達段階哺乳 → 嚥下への移行哺乳の延長線上
推奨開始時期離乳食スタートと同時(5〜6ヶ月頃)舌の押し出し反射が残っている時期〜7ヶ月頃
現在の歯科的見解推奨(口腔発達に必要)長期使用は非推奨(口周りの筋発達を妨げる恐れ)

👉 つまり、「嚥下の発達を促したい」ならスプーンで練習。
 スパウトは“嚥下への橋渡し”ではなく、“哺乳の延長サポート”と考えるのが近年の主流です。

スパウト・乳児用ストローマグの弊害?

なぜか?にお答えしましょう。

スパウトは乳首とコップの中間的存在。
哺乳に似た形状なので一見“発達的に良さそう”に見えますが、
実は吸う動き(陰圧吸啜)を長く引きずりやすい設計です。

歯科領域からの指摘

そして、スパウトは“舌を下方・前方に固定する”構造となりやすいと言われています。

スパウトの飲み口は、

  • 長く・太く・硬めで、
  • 舌の上に「ずっしり」乗るような形状

そのため赤ちゃんは飲むときに舌を前下方に押し下げて、吸い上げようとする

これは、哺乳期にみられる「吸啜パターン」(前後運動)の延長です。

  • 舌が上顎(口蓋)につかない時間が増える
  • 舌が下がったまま癖づく(low tongue posture:低位舌)            

につながるとも言われています。

舌突出・開咬・口呼吸につながるリスク

舌が下・前方に位置する習慣(low tongue posture:低位舌)は、
成長過程で以下の形態的影響を及ぼす可能性があります。

問題メカニズム
舌突出癖舌を前に出して飲む・話す動作が残る
開咬(上下の前歯が閉じない)舌圧が歯列前方にかかり続ける
口呼吸舌が下にあるため気道が開きすぎ、口が閉じにくくなる
嚥下時の舌の前突“赤ちゃん飲み(乳児嚥下)”が続く

まさか、こう言うことにまでつながるなんて誰も想像していないですよね?

臨床的おすすめステップ

スパウトを使ったからと言ってみんながそうなるわけではないです。スパウトや乳児用ストローの長期使用をすることのリスクを理解した上で、必要な口の動きを経験させてあげることが大切です。

時期飲み方ツールコメント
6ヶ月〜8ヶ月スプーンで一口小さじ1杯から舌でまとめる練習
6ヶ月〜乳児用ストロー(必要時のみ)、スパウト吸啜→嚥下への切り替え
8ヶ月〜10ヶ月コップで一口流れを感じて飲むためて飲む練習
10〜12ヶ月成人嚥下型ストロー or コップ成人嚥下・呼吸の協調へ

まとめ

「スパウトが悪いわけではないけど、“長期使用はリスク”」

スパウトは、哺乳から嚥下への“橋渡し”を一時的に助けるもの。
でも、舌や唇の自由な動きを制限してしまうこともあります。

「スパウトを嫌がる」「全然飲まない」―
それは決して遅れではなく、“もう哺乳のステージを卒業しようとしている”証拠とも言えます。

スプーンでごっくん
コップで一口
その後、ストロー

この流れを意識すれば、赤ちゃんのお口の発達は自然に伸びていきます!!

今日は低位舌という少し難しいお話をしました。
どうしたらいいかわからないときは、ぐんぐんキッズなかもず院のあかちゃん外来へご相談くださいね。

お待ちしています!

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