離乳食

離乳食が進まない…そんな時こそ肩の力を抜いて

Sachiko

赤ちゃん外来をしていると、よくあるご相談のひとつが「離乳食を食べてくれない」というものです。

  • せっかく作ったのに口から出してしまう
  • スプーンを近づけると顔をそむけて嫌がる
  • えずいて出してしまう

そんな毎日が続くと、
「どうしてうちの子だけ…」と気持ちが沈んでしまいますよね。

「このまま食べなかったらどうなっちゃうんだろう」と心配に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

まずは“必死になること”をやめてみませんか?

離乳食は「食べる練習」ではありますが、「訓練」ではありません。
まず、「食べることを楽しく体験する第一歩」なのです。

赤ちゃんにとって、口の中に入ってくるものはすべて新しい体験。
はじめはうまくいかないのは当たり前ですし、
はじめての自分の知らないものを”口に入れられる”のは「不快」で当然ですよね。

だからこそ、食べない=失敗ではなく、「今日は食べなかったね」も立派な経験

BLW(Baby-Led Weaning)という考え方

最近注目されている「BLW(ベビー・レッド・ウィーニング)」をご存知でしょうか。
直訳すると「赤ちゃん主導の離乳食」。

スプーンで親が食べさせるのではなく、

  • 赤ちゃんが自分の手で食べ物をつかむ
  • 興味のあるものを口に運んでみる
  • 遊びながら、感触を確かめる

そんな体験を通じて「食べる楽しみ」を学んでいく方法です。
もちろんすべての家庭でBLWをそのまま取り入れる必要はありません。けれども、この考え方が伝えてくれる大事なメッセージがあります。

それは、「赤ちゃんが自分のペースで進めていい」ということ。

「○ヶ月でこう言った形態のものを1食△g食べさせる」というレシピ通りに進めようとしてうまくいかないと仰るママもいらっしゃいます。正解を求める気持ち、とってもわかります。

でも、個々の性格も、好みも、体質も、成長発達も違います。
なので同じ月齢でも食べる量や内容は本当にそれぞれです。
それは育てるママ、パパも二人として同じ人がいないのと同じです。

100人あかちゃんとママがいたら、100通りの子育てなんです。
子育てに決まったものはありません。

肩の力を抜いて、食卓を楽しむ

離乳食が進まなくても大丈夫。焦らなくても大丈夫。
「食べない」日があっても、「遊んでばかり」の日があっても、あかちゃんの“食べる準備”は少しずつ進んでいます。

まず最初に大前提として大切なのは、ママとあかちゃんが笑顔でいられること。
食卓が“緊張の場”ではなく、“楽しい場”になることです。

SNSで見るような色鮮やかで完璧な離乳食プレートはなくてもいい。
あなたと赤ちゃんに合ったやり方を、一緒に見つけていきましょう。

「これでいいのかな?」と不安になったら、ぜひ ぐんぐんキッズクリニックの「あかちゃん外来」に相談に来てください。
医師だけでなく、看護スタッフや保育スタッフとチームでサポートします。

さらに、11月には管理栄養士さん・作業療法士さん・当院保育スタッフ・看護スタッフと一緒に「離乳食ワークショップ」を開催予定です。
実際に食べる体験を交えながら、楽しく学べる場を準備していますので、こちらもぜひご参加くださいね。

ABOUT ME
ぐんぐん院長サチコ
ぐんぐん院長サチコ
みなさんの一番近くにいる地域の「かかりつけ」小児科専門医。
20年以上小児診療に携わりながら、3人の子育てをしてきました。

子どもの年齢とともに、気になることや悩みも変化していく。
親も子どもと共にバージョンアップしていくことは必要不可欠です。

だからこそ、子育て中に知っておいた方がよいこと、 育児書にはないけれど大切なこと、
いろんな情報が溢れていて困った、、、というときに 正しい知識をサクッと知れる「メモ帖」みたいなのが作れたらいいなと思ってます。

少しずつの記事の更新ですが、楽しみにしていてくださいね。
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