成長・発達

あかちゃんが手を口にやるのは“クセ”じゃなくて“成長サイン”

Sachiko

3ヶ月くらいになってくると、あかちゃんは自分の手を口に持っていき、指や手を入れてしゃぶるようになります。「指しゃぶり」というと、年齢が上がってきた子にとっては「寂しい表現?」「精神的に不安定なの?」と思われがちかもしれませんが、乳児期のあかちゃんにとってこの「指(手)しゃぶり」はとても大切な意味があるんです。

今日はこの乳児期のあかちゃんの「指しゃぶり」について解説したいと思います!

お口は感覚器の王様

まず先に、「口は発達にはとても大切」というお話をしたいと思います。

唇や舌、口の中は、味覚・触覚・温度感覚・痛覚などを感じる神経が非常に密集しています。その感度は手指以上とも言われ、赤ちゃんにとっては「一番鮮明に世界を感じられる場所」です。また、生まれた直後からあかちゃんには吸啜反射(おっぱいを吸う反射)が備えられており、視覚や聴覚よりも先に、”口を通じて世界を知る”のがあかちゃんの感覚の発達のスタートになります。

ではこの「感覚器の王様」と手をつなぐ「しゃぶる」には、どんな意味があるのでしょうか?

指しゃぶりの意味とは?

ここには大きく分けて3つの意味があると言われています。一つずつ解説していきますね。

1. 安心・自己調整

  • あかちゃんにとって「吸うこと」は安心をもたらす行為。
  • 指しゃぶりは セルフコンソレーション と呼ばれ、自分の気持ちを自分で落ち着ける行動に繋がります。(*おしゃぶりや、毛布、ぬいぐるみなどを手にするなどもこの類のものです)

2. 発達のひとつ

  • 指を口に入れれば、口の中の触覚と指の触覚の情報が脳に届きます。自分の身体を自分で刺激して、その感覚を味わい確認する遊びを通して自分の身体を知っていきます。(ボディイメージ:自分の身体の感覚が育ちます。)
  • 手と口の協調運動の発達につながります。

3. 探索行動

  • あかちゃんは「世界を口で確かめて」いきます。指をしゃぶるのもその一部。
  • 「指の硬さ」「温かさ」「味」などを知っていく体験(感覚の統合)に繋がります。

3ヶ月頃のあかちゃんが手や指をしゃぶっている姿は本当に可愛いものでもありますが、
手を舐めるという感覚を通じて自分の身体を知っていく、とても大切な動き(仕草)でもあるんですね。
発達の知識を学んでいくと、あかちゃんの普段何気ない姿にもあかちゃんの”生きる力、成長発達していく力”に驚かされます。人って”本来成長意欲のある、育ちたいもの”なのかもしれません。とても力強く、美しい。

あかちゃんと共に過ごす大人として、あかちゃんの育つ力に寄り添っていきたいですね!

もちろん、私たちも、楽しみながら!!

また、発達に関することも解説していきます!

ABOUT ME
ぐんぐん院長サチコ
ぐんぐん院長サチコ
みなさんの一番近くにいる地域の「かかりつけ」小児科専門医。
20年以上小児診療に携わりながら、3人の子育てをしてきました。

子どもの年齢とともに、気になることや悩みも変化していく。
親も子どもと共にバージョンアップしていくことは必要不可欠です。

だからこそ、子育て中に知っておいた方がよいこと、 育児書にはないけれど大切なこと、
いろんな情報が溢れていて困った、、、というときに 正しい知識をサクッと知れる「メモ帖」みたいなのが作れたらいいなと思ってます。

少しずつの記事の更新ですが、楽しみにしていてくださいね。
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