授乳・ミルク

母乳が大好きで、離乳食が進まないとき〜母乳との付き合い方と、離乳食への気持ちの持ち方〜

Sachiko

はじめに

「なかなか離乳食が進まない…すぐにおっぱい欲しがるんです。」
そんな相談を外来でもよく受けます。完全母乳で育ってきた赤ちゃんは、どうしてもおっぱいに愛着を持つことが多く、結果として離乳食を食べるペースがゆっくりになる傾向があります。
これは決して「悪いこと」ではなく、むしろ自然なこと。けれども、「補食」の観点、鉄分やエネルギー補給の面では離乳食が必要….と聞くと、親としては心配になってしまいますよね。

どうして母乳っ子は離乳食が進みにくいの?

母乳は赤ちゃんにとって「栄養」だけでなく「安心・癒し」そのもの。データがあるわけではありませんが、完全母乳の子ほど、食べ物よりもおっぱいを選びやすくなります。
それと、ミルクの子よりも授乳をすることへの簡便さ、が、関係しているかもしれません。

母乳との付き合い方

「母乳を減らさないといけない?」と心配になるかもしれませんが、必ずしも一気に授乳を減らす必要はありません。むしろ離乳食=補食。最初は授乳をキープしたまま、進めていきましょう!

  • 授乳と離乳食の順番を工夫する
    先に離乳食をあげてから授乳をすることで、食欲があるときに食べる練習ができます。
  • 授乳回数を少しずつ調整
    いきなり減らすのではなく、授乳の間隔をほんの少しだけ伸ばす。これだけで離乳食を食べる余地が増えます。
    そしてこの頃は周囲のものへの好奇心も育ってきています。おっぱい欲しい、と来るあかちゃんに、ちょっと他のもので気を逸らすのも良いかもしれません。

離乳食に向けての気持ちの持ち方

赤ちゃんの食べるペースは十人十色。早い子もいれば、ゆっくり少しずつの子もいます。大切なのは「食べない=ダメ」ではなく、少しずつ食の世界を広げていく意識で見守ること!

  • 「食べる経験」を優先
     スプーンを口に入れてみる、舐める、吐き出す。それも立派な経験です。量よりも「慣れること」が大切。
  • 食卓を楽しい場に
     兄弟や家族が一緒に食べる姿を見せることで、「自分もやってみたい!」という気持ちが芽生えやすくなります。
  • 鉄分を意識しつつ、焦らない
     母乳だけでは不足しがちな鉄分は、赤身魚や肉、レバー粉などを工夫して取り入れながら、少しずつ慣れていけば大丈夫。

まとめ

母乳が大好きな赤ちゃんが離乳食をなかなか食べてくれないのは、ごく自然なこと。
焦らず、でも栄養面は工夫しながら「少しずつ慣れていけばいい」というスタンスで大丈夫です。

おっぱい大好きなあかちゃんとの蜜月を楽しみつつ、少しずつ次のステップに進んでいきましょうね!

ABOUT ME
ぐんぐん院長サチコ
ぐんぐん院長サチコ
みなさんの一番近くにいる地域の「かかりつけ」小児科専門医。
20年以上小児診療に携わりながら、3人の子育てをしてきました。

子どもの年齢とともに、気になることや悩みも変化していく。
親も子どもと共にバージョンアップしていくことは必要不可欠です。

だからこそ、子育て中に知っておいた方がよいこと、 育児書にはないけれど大切なこと、
いろんな情報が溢れていて困った、、、というときに 正しい知識をサクッと知れる「メモ帖」みたいなのが作れたらいいなと思ってます。

少しずつの記事の更新ですが、楽しみにしていてくださいね。
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