ずり這いからハイハイしない子への対処
さて、今日も後期健診でよくご相談があるお話です。
ずり這いはスムーズにできるようになってきたのに、なかなかハイハイに移行しない——そんな相談はとても多いです。
周りの子がどんどん四つ這いで動いているのを見ると、つい「うちの子、大丈夫かな…?」と不安になってしまいますよね。
でも実は、ずり這いからハイハイへの移行には個人差がとても大きく、「遅れている」=「問題がある」とは限りません。
からだの発達のしくみを知り、環境と働きかけを少し工夫してあげましょう!
ずり這いとハイハイは別のスキル
ずり這いは、お腹を床につけて腕と足を交互に使い、体を引きずるように進む移動方法です。
一方ハイハイは、お腹を床から持ち上げ、四つ這い姿勢で進みます。
必要な力とバランスがちょっと違います。
- ずり這い:腕と体幹(お腹・背中)の筋力
- ハイハイ:上肢や下肢、体幹の筋力、左右の協調運動
つまり、ハイハイに進むには より全身の筋力とバランス感覚が育つこと がカギなんです。
なかなかハイハイに移らない理由でよくあるもの
- ずり這いで十分に移動できてしまう(=困ってない)
- お腹を持ち上げる筋力やバランスがまだ追いついていない
- 「ハイハイのきっかけ」になる場面が少ない
あかちゃんにとって移動は“目的”が先にあって、そのために“手段”が発達します。
ずり這いで欲しいものにちゃんと届くなら、わざわざハイハイを習得しなくてもOKなのです。
ハイハイを促す環境と働きかけのヒント
無理に練習させる必要はありませんが、からだが自然と動きたくなるような工夫をするとステップアップしやすくなります。
1. 腹ばいでの遊びを増やす
腹ばい(お腹を床につける姿勢)でしっかり遊ぶと、腕・体幹・首まわりの筋肉が強くなります。
おもちゃを少し離れた場所に置いて「取りたい!」気持ちを引き出すと◎。
2. 床の環境を整える
滑りにくいマットやラグを敷いてあげると姿勢が安定します。
3. クッションなどのちょっとした段差
低いクッションを乗り越えたりすることで、自然と四つ這い姿勢になるきっかけが増えます。
4. うつ伏せからのお座り・四つ這いをサポート
抱き上げるのではなく、からだを少し支えて四つ這い姿勢になるよう手助けすると、赤ちゃんが「この姿勢、やってみようかな」と気づくこともあります。
気をつけたいこと
- 大人が“型”を無理に教え込むような練習は不要
- 発達のペースには幅があり、ハイハイを飛ばしてつかまり立ちに進む子もいます
- ずり這いでも片方しか使わないなど、左右差が見られるときは、働きかけにコツが要る子かもしれません。
心配なサイン(片側ばかり使う、極端に体の硬さがある、発達全体が遅れているなど)がある場合は、小児科で相談してください!
まとめ!
ずり這いからハイハイへの移行には個人差が大きく、自然な流れで進む子もいれば、ずり這いが長く、ハイハイを飛ばしてつかまり立ち、伝い歩きをする子もいます。
しかし、全身の筋力や左右の協調運動を強化していくには”ハイハイ”はとても良い動き。
あかちゃんの活動の幅も、ずり這いより広がります。
環境を整えて、ママパパも遊びを取り入れながら、あかちゃんに関わってあげてくださいね!
どうしたら、いいのかな?
そんなときは、ぐんぐんキッズなかもず院のあかちゃん外来へご相談くださいね。
