癒合歯ってなに?
あかちゃんの前歯が生え始めて、「ちょっと大きい?」「くっついてる?」と気づいて、びっくりする保護者の方がいらっしゃいます。
実はそれ、癒合歯(ゆごうし)と呼ばれるもので、乳歯では決して珍しいことではありません。
見た目に驚いてしまうかもしれませんが、多くの場合は大きな心配は不要です。
ただし、永久歯との関係で注意しておきたいポイントもあります。
癒合歯とは?
癒合歯とは、本来は別々に生えてくるはずの2本の歯の歯胚(しかい:歯のもと)が発育の途中でくっついて、1本のように見える歯のことです。
乳歯では特に前歯(下の前歯)に多く、発生頻度はおよそ1〜2%程度といわれています。
男の子にも女の子にも見られ、決して珍しいものではありません。
癒合歯があっても基本は「様子を見てOK」
癒合歯があっても、
痛み、ぐらつきがない
虫歯、歯肉の炎症がない
このような場合は、すぐに治療が必要になることはほとんどありません。
日常生活の中では、しっかり噛むこともできますし、成長とともに問題が出ないケースも多いです。
注意したいポイント① 永久歯が欠損することがある
癒合歯の根っこの部分では、本来2本あるはずの歯胚が1つになっているため、
その下にある永久歯の歯胚も1本しかない=永久歯が欠損することがあります。
もちろんすべての癒合歯で欠損が起こるわけではありませんが、
生えかわりの時期が遅い
片方だけ永久歯が出てこない
といった場合には、歯科でレントゲンを撮って確認することがあります。
注意したいポイント② 虫歯になりやすい
癒合歯は、くっついた歯と歯のあいだに小さな溝ができやすく、
この部分に食べかすがたまりやすい構造です。
このため、虫歯のリスクが高いのが特徴。
やさしいブラッシングとフッ素塗布などの予防ケアがとても大事になります。
1歳半健診で歯科医に相談を
1歳半健診では、自治体によって歯科検診が含まれています。
癒合歯がある場合は、そのタイミングで
虫歯予防の仕方、永久歯の経過観察の必要性、将来の歯並びへの影響
などについて歯科医に相談しておくと安心です。
必要に応じて、定期的なフォローアップをすすめられることも。
まとめ!観察と予防ケアを
癒合歯は珍しいものではなく、多くの場合は治療の必要がない経過観察で大丈夫です。
ただし、虫歯のなりやすさと永久歯の欠損の可能性があるため、歯科での定期チェックがとても大切になります!
