関西では例年、2月上旬〜中旬にスギ花粉が飛び始めます。
今年も「バレンタイン前後から鼻がムズムズする」そんな声を外来で聞き出しました。
しかし実は、その症状はスギ花粉だけではないかもしれません!
同じ時期でも地域によって主役が違う
まず、日本の代表的な花粉といえばスギですが、これは全国一律ではないんです!
なぜなら…日本列島は縦に長く、地域ごとに植生や気候が違うので、飛ぶ花粉が変わってくるからです。
例えば、驚かれるかもしれませんが、北海道ではスギはほとんど生育していません!
代わりに多いのがシラカバなんです。
雪景色に映える、これですね。
カバノキ科で、この花粉は4月中旬〜5月上旬に飛散が始まり北海道における春先の花粉症の最も多い原因なんです。
一方、日本海側や北陸、そして一部の関西圏でもスギ以外に春先に飛ぶのがハンノキ。
これもカバノキ科の植物で、スギより少し早く、1〜3月頃に花粉を飛ばしますので、
「スギはまだ少ないはずの時期から症状が出ていた」
そんな場合は、ハンノキ花粉症かもしれません。

このように地域による植生の差から、スギ以外の花粉が原因という可能性もあります!!
そして天候に左右される、あれ
「今日はやけにひどい」
「花粉のピークはまだのはずなのに、なぜ?」
そんな日に重なっている可能性があるもの….それが 黄砂。
中国大陸の乾燥地帯から飛んでくる微小な砂粒で、春先に偏西風に乗って日本へ届きます。ニュースで空がかすむ映像を見たことがある方も多いはず。
花粉症でない人も、ある人も
黄砂が加わることで、鼻づまり、目のかゆみ、咳が悪化しやすいのです。
特に関西は、春に黄砂が観測されやすい地域ですので、花粉とのWパンチによる症状悪化には
本当に気をつけなければなりません。

ハンノキ(シラカバ)の花粉症の特徴と注意点
春先の花粉としてスギ以外に有名なものとしてあるシラカバ、ハンノキ。
これらの花粉に症状がある方には気をつけた方が良いことがあります。
それは…実はこれらの花粉は「食べ物」とも関係しているんです。
リンゴやモモで口がかゆくなる現象。
それはハンノキやシラカバなどのカバノキ科花粉との交差反応で起こることがあるんです。
交差反応と花粉・食物アレルギー症候群
アレルギーは体の中のIgE抗体がある物質を”敵”と覚えてしまい、過剰に免疫が反応することで発症します。
交差反応とは、そのある物質と似ている物質に対して、”間違って”反応してしまう、というもの。
シラカバ花粉のBet v 1、ハンノキ花粉のAln g 1は同じ“PR-10蛋白”という仲間で、リンゴなどのタンパク質と似ているため、リンゴなどを食べた後に症状を引き起こしてしまうのです。
このような機序で発症する食物アレルギーを
花粉・食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome:PFAS)と言います。
(注:口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome:OAS)とも言われているのですが、実際は口の症状だけではなく、全身の症状を併発する可能性があり、注意が必要です。)
PFASの頻度
このPFASの患者さん、実はシラカバ患者さんの40-50%、ハンノキ花粉症患者さんの20-40%に併発すると言われているんです。
結構頻度が高いですよね、、、!!
つまりは、シラカバ、ハンノキの花粉症の方は、スギやヒノキの花粉症の方よりも
果物や野菜に対するアレルギーを起こす可能性が高く注意が必要、ということです。
まとめ
今回は春先の花粉症の症状でも、スギだけではないのかも?というお話をしました。
次回は後半にお話した、カバノキ科の花粉症で併発しやすい、
花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)、口腔アレルギー症候群(OAS)についてお話していきますね!

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