スマホを置いて目の前のあかちゃんとの時間を味わって
授乳の時間、つい片手でスマホを見てしまうことはありませんか?
私も少し前の自身の子育てのときに経験があります。静かだし、今だ!とばかりに、ちょっとSNS….のつもりが、あっという間に30分、ということもありました。
「ながら授乳」は良くない、と、わかってはいても、やめられない!笑
今日は「スマホのママへの影響」、そして「ながら授乳とあかちゃんの発達」について解説したいと思います!
1. スマホがママの心身に与える影響
最近”スマホ脳”という言葉がスウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン(Anders Hansen)の著書 “スマホ脳”(原題 The Smartphone Brain)から広く知られるようになりましたが、スマホやデジタルデバイスを長時間使うことで、脳の働きや心身の健康に影響が出ると言われています。
スマホ腕・肩こり・眼精疲労
授乳姿勢にプラスしてスマホを持つと、手首や肩、首に大きな負担がかかります。「スマホ腱鞘炎」や「スマホ首」なんて言葉があるほど。
情報過多疲れ
情報を浴び続けると、心までぐったり。現代人は平安時代の人の一生分の情報を1日で浴びる、とも言われています。びっくりですよね!脳は「選択」「比較」を繰り返すために、常に小さな疲労や不安が蓄積します。
授乳期のママは寝不足やホルモン変化でただでさえ疲れやすいのに、スマホでさらに追い打ちをかけてしまうことになりかねません。
SNS疲れ
情またこれは多くの人が一度は経験したことがあるかもしれません。SNSを見て他の人を自分を比較して落ち込んだことはありませんか?できていない自分を責めたこと、他人を羨んだことはありませんか?
SNSはあくまで切り取られた子育ての一部なんです。絶対に、どんな人も、そうなんです。光と影があって当たり前、それをわからなくさせてしまうのが、SNS。
2. あかちゃんはコミュニケーションを取りたがっている
それではあかちゃんの方はどうでしょう?
授乳が始まって、次第にあかちゃんと目を合わせて微笑み合い、語りかけに反応してくれるようになります。
そしてあかちゃんの方も、自分がアクションを起こしたことでママがどう反応するかを見ています。こうしてコミュニケーションがはじまるのです。
しかしスマホにママが気を取られているとどうでしょう?
あかちゃんが表情や仕草でしている「お話」に気付かずに、無視していることになりますよね。
これが過ぎてしまうと、乳幼児期の親子の”愛着形成”の基盤となる、サインを出す→応答するというやりとりができていないことになります。(※愛着の話は、またいつか!)
3. 情報過多時代、大切なことはそんなに多くない
「どのミルクがいい?」「この離乳食の進め方で合ってる?」と、情報に振り回されて悩みが深まってしまうこともあります。
でも、赤ちゃんが本当に必要としているのは――
✔ ママの目を見て安心できること
✔ ママの声を聞いて心地よくなること
これだけで十分、育ちの土台ができていきます。
「情報を全部集めなきゃ」ではなく「わが子を見て、わが子に合わせて」
実はそれだけが一番大切なのです。
あかちゃんを見つめる数十秒は、どんな専門家の記事やSNSよりも強い「育児の答え」をくれます。
4. スマホとの上手な付き合い方を
正直にいうと、私はもうあかちゃん育児からは離れています。
でも、診療や日常でスマホを手放せない自分に気づき、「心身の疲れにスマホが関係している」と実感する場面がとても多いんです。
だから私はときどき デジタルデトックス をしています。
半日スマホを手に取らないだけで、びっくりするほど頭がスッキリ。心も軽くなります。
授乳中のママも、スマホを少し手放して、赤ちゃんとの時間を五感で味わってみてください。
その時間が、あかちゃんの発達にとっても、ママ自身の癒しにとっても、
とても豊かな宝物になるはずです!
スマホから正しい情報を探し当てなくても、誰かの切り取られたキラキラ育児を見なくても、大丈夫。
あなたの心は笑っていますか?あかちゃんを見れていますか?
困ったことがあったら、あかちゃん外来へ。いつでもご相談くださいね。
