離乳食

離乳食初期のスプーンの選び方と与え方のコツ

Sachiko

先日”お口の発達と食形態の関係”という記事で、離乳の目的は
「成人嚥下が獲得されること」「唇を使って食べ物を取り込むこと」というお話をし、
乳児嚥下と成人嚥下の違いについてお話していきました。

まだお読みでない方はこちらから↓

今日はもう一つの目的である、「唇を使って食べ物を取り込むこと」
について解説していきます!
スプーンで与える離乳食の場合の”スプーン選び”や、”スプーンであげる時の注意点”についてもお話していきますね!

1. スプーンの選び方

素材

  • シリコン製ややわらかい樹脂製がおすすめ。
     口当たりがやさしく、敏感な赤ちゃんでも受け入れやすいです。金属製は冷たさや硬さで嫌がる子もいます。
  • 敏感な子ほど「ひんやり」「硬い」刺激に敏感なので、まずはやわらかめを選ぶと安心。

  • 赤ちゃんの小さな口に合うように、先が細め・浅めのスプーンを。
  • 深すぎると一度にたくさん入ってしまい、むせる原因になります。

2. 与え方の注意点

注意! 上唇にこすりつけて食べ物を入れない

赤ちゃんの口にスプーンを入れるとき、つい「上唇にこすりつけて口の中に押し込む」ようにしてしまいがちですが、これはNGです。

なぜなら…

  • あかちゃんは 自分の唇を使って食べ物を取り込む力(捕食すること) を育てる必要があります。
  • 大人がスプーンを押し込んでしまうと、この「自分で唇を閉じてすくい取る」動きを練習できなくなってしまうのです。

スプーンは赤ちゃんの 下唇の上にそっと置く ようにして、赤ちゃん自身が唇で取り込むのを待ちましょう!大切です!!

3. 赤ちゃんの「敏感さ」に配慮を

 中には「口に異物が入る」ことに敏感で、最初はスプーン自体を嫌がる子もいます。そんな時は無理せず、スプーンをなめるだけでもOK。食べる前に口元にスプーンを近づけて「見せる」「触れさせる」ことから始めると安心感が増します。
 スプーンで口の中を突いてしまわないように注意してくださいね。

4. まとめ

  • スプーンは小さめ・浅め・やわらか素材を。
  • 上唇にこすらず、下唇に置いて待つのが鉄則!!
  • 敏感な子には「まず慣れる」ことを大事に。

あかちゃんはひと口ごとに少しずつ「食べる力」を育んでいきます。離乳食が進まないとき、もしかしたらスプーンの選び方と与え方ひとつで変わるかも知れません。

ぜひ、試してみてくださいね!

ABOUT ME
ぐんぐん院長サチコ
ぐんぐん院長サチコ
みなさんの一番近くにいる地域の「かかりつけ」小児科専門医。
20年以上小児診療に携わりながら、3人の子育てをしてきました。

子どもの年齢とともに、気になることや悩みも変化していく。
親も子どもと共にバージョンアップしていくことは必要不可欠です。

だからこそ、子育て中に知っておいた方がよいこと、 育児書にはないけれど大切なこと、
いろんな情報が溢れていて困った、、、というときに 正しい知識をサクッと知れる「メモ帖」みたいなのが作れたらいいなと思ってます。

少しずつの記事の更新ですが、楽しみにしていてくださいね。
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