離乳食

コップ飲みを始めるタイミングと練習法〜えずかず、むせずに“飲める”を育てるコツ〜

Sachiko

先日の記事で、「実はあかちゃんにとって水分摂取は難しい!」というお話をしました。実は、コップ飲みはスプーン飲みよりもさらに難易度が高いものになります。
赤ちゃんが安全に・楽しくコップ飲みを練習できるように、「タイミング」と「やり方」をステップで紹介します。

http://kosodate.waffle.or.jp/wp-admin/post.php?post=213&action=edit

コップ飲みが難しい理由

コップ飲みでは、赤ちゃんが舌・唇・喉の動きをすべて自分でコントロールする必要があります。比べてみましょう。

スプーン飲みコップ飲み
一口ずつ口に入れてもらう自分で流れ込む量を調整する必要がある
舌でまとめて飲む舌+下あご+喉の協調運動が必要
口が閉じていてもOK唇をコップに密着させて開閉をコントロール

なんとなく….全然違うことがわかりますよね?!ムズカシそう?!

練習のステップ

Step1 スプーンで一口の水分を飲めるようになる

まずは、スプーンで「とろみのない水分」を一口ずつ。
→ これができるようになったら、コップへの準備OK!

Step2 小さなコップで“傾ける練習”

最初は、

  • 小さめ、浅めのカップ
  • 持ち手がなく、ママが支えられるタイプ
    を使います。

おすすめは「シンプルなベビー用トレーニングコップ」。小さめが良いですね。
中に入れるのは 水や麦茶をほんの少量(10ml程度)

💡コツ:

  • 赤ちゃんの上唇がコップのふちに軽く触れるくらいの角度からスタート。
  • ごく少量が口に流れたらすぐに水平に戻す。
  • “飲む”より“当たる”感覚を経験させることが目的。

Step3 ママが傾け、赤ちゃんがタイミングを取る

数日慣れたら、ママが少しずつ角度をつけて
「ごくん」と飲む体験を作ってあげます。

むせた時は、休憩。慌てず笑顔で。

焦って量を増やすと、“飲む=怖い”体験になるので、
1回1〜2口で十分です。

Step4 自分でコップを持ってみる

手づかみ食べが始まる頃には、「自分で持ちたい」欲求も出てきます。
コップの底をママが支えながら、少しずつ自分で傾ける練習を。

食事中ではなく、汚れてもいい時間に遊びながら練習すると成功しやすいです。

Step5 こぼさない・むせないが増えたら、ストローへ

コップで“口を閉じる”感覚が育ってきたら、
今度は成人嚥下型のストロー練習へ進みます。

👉 ここで使うのは舌で巻き込んで吸い込む乳児ストローではありません。(注意!)

コップ選びのポイント

最近はコップ飲みトレーニング用のマグが販売されています。
こぼれにくいような構造になっているもの・中身が見える(傾けたときの中が見える)もの・傾けたときに出る水分が調整される(一気に出ないようになっている)もの等
様々ありますので、使用を検討してみても良いかもしれません。

個人的には、、、
シンプルな構造で中身が見える、素材が安全なものを使いながら
サポートしてあげながら、練習を進めるのがよいのではないかなぁ?と思います。

(お出かけの時など、落ち着いて様子を見れない場合や、こぼすのが心配な場合は乳児用ストローマグなどにして)

まとめ

あかちゃんがコップでむせると、練習も怖くなってしまう、というママもいるかもしれませんが、むせながら上手になるという側面もあります。

こぼしてOK、むせてOK。
焦らず、少しずつ、成功体験を少しずつ積み重ねていきましょうね!

ABOUT ME
ぐんぐん院長サチコ
ぐんぐん院長サチコ
みなさんの一番近くにいる地域の「かかりつけ」小児科専門医。
20年以上小児診療に携わりながら、3人の子育てをしてきました。

子どもの年齢とともに、気になることや悩みも変化していく。
親も子どもと共にバージョンアップしていくことは必要不可欠です。

だからこそ、子育て中に知っておいた方がよいこと、 育児書にはないけれど大切なこと、
いろんな情報が溢れていて困った、、、というときに 正しい知識をサクッと知れる「メモ帖」みたいなのが作れたらいいなと思ってます。

少しずつの記事の更新ですが、楽しみにしていてくださいね。
記事URLをコピーしました