成長・発達

視覚の発達と0〜3か月のあかちゃんのおもちゃ選び

Sachiko

生まれたばかりの赤ちゃんは、「まだ何もできない」と思われがちですが、実はこの時期からすでに毎日大きく発達しています。
特に、視覚、聴覚、触覚などの感覚は、ぐんぐん育ってます!

あかちゃんのおもちゃっていつからどんなものを与えたら良いの?
というご質問を受けることがあります。


今日は首がすわる前の0〜3か月のあかちゃんの発達と、おもちゃ選びについてお話しますね!

(10/30:一部修正しました)

0〜3か月の視力

長年の研究で生後1か月の視力は0.02、3か月は0.1、6か月は0.2程度と言われています。
さらに、3ヶ月までは焦点の調節機能はまだ弱く、20-30cmの距離に置かれたものに焦点があった状態で、6ヶ月までに急速に発達します。

そして興味深いことに、あかちゃんは輪郭がボケた世界を見ているだけでなく、
霧がかかったような「薄い世界」を見ていることがわかっています。

また、色の知覚は生後2,3ヶ月には大人と同様に、青、赤、黄と言った基本色を区別できるようになります。

このように、0〜3ヶ月のあかちゃんの視覚はまだまだ未発達です。

おもちゃの基本は「五感へのやさしい刺激」

このように視覚もまだ未発達なこの時期におすすめなのは、
あかちゃんの五感をやさしく刺激してあげられるもの。

① 見る:コントラストのはっきりしたもので追視を

あかちゃんの視力はまだ発達途中。
白黒やはっきりした色のものはよく見えやすく、じっと見つめる時間が増えます。
”白黒のモビール”や”上から吊るすおもちゃ”を、使ってみましょう。

正中線上で見せ、おもちゃを目で捉えたことを確かめてから左右に動かしてみます。目で追う力(追視)を育てるのに役立ちます。

② 聴く:やさしい音を感じるもの

”鈴の入ったラトル(振るとやさしい音が鳴るもの)””優しいメロディのオルゴール”などが良いですね。
でも一番は….ママ・パパの優しい声!
おもちゃそのものよりも、人の声や表情とセットにすることで安心感が深まります。

③ にぎる:優しい肌触りのものを

最初はきゅっと握った手も、だんだん親指が開いてくるようになります。”にぎにぎ”を握らせてみると良いですね。

手足にふれる感触はとても大切です。
”タオル素材やガーゼ素材の布””軽い布おもちゃ”などを触れさせることで感覚も育ちます

おもちゃよりも「人とのやりとり」が主役

さまざまな研究から母親の顔は極めて早期から認識できることが知られており、0〜3か月のあかちゃんにとっていちばんの「おもちゃ」はママ・パパの顔と声とも言えます。
見つめ合ったり、やさしく話しかけたり、手足にふれてあげたりする時間そのものが、脳への最高の刺激になります。

おもちゃはあくまでそのきっかけ。シンプルなもので十分です!!

まとめ!

  • 0〜3か月の赤ちゃんは「見る・聴く・感じる」ことで世界と出会い始める
  • コントラストのあるビジュアル、やさしい音、心地よい感触がポイント
ABOUT ME
ぐんぐん院長サチコ
ぐんぐん院長サチコ
みなさんの一番近くにいる地域の「かかりつけ」小児科専門医。
20年以上小児診療に携わりながら、3人の子育てをしてきました。

子どもの年齢とともに、気になることや悩みも変化していく。
親も子どもと共にバージョンアップしていくことは必要不可欠です。

だからこそ、子育て中に知っておいた方がよいこと、 育児書にはないけれど大切なこと、
いろんな情報が溢れていて困った、、、というときに 正しい知識をサクッと知れる「メモ帖」みたいなのが作れたらいいなと思ってます。

少しずつの記事の更新ですが、楽しみにしていてくださいね。
記事URLをコピーしました