バイバイ、パチパチなどの真似ができません!
あかちゃんが「バイバイ」や「パチパチ」をできるようになる頃――だいたい9〜12か月頃の健診では、この“真似っこ”がよくチェック項目に入っています。
でもこれは、単に「かわいいしぐさ」を見ているわけではありません。
健診でこの項目を確認するのは、赤ちゃんの「社会的コミュニケーションの土台」が育っているかを知るためです。
バイバイ・パチパチができるって、何を意味してるの?
赤ちゃんが「バイバイ」や「パチパチ」を真似できるというのは、いくつかの力が育ってきたサインです。
- 大人の動作を見て、記憶して、再現する力(模倣する力)
真似をするには、ただ見るだけでなく「動きのパターン」を頭にしまいこみ、タイミングを合わせて再現する必要があります。 - 相手の意図を読みとる力(社会的参照)
「バイバイ=さよなら」という“意味”を少しずつ理解し、状況に応じて使い始めます。これは言葉の前段階の“身ぶり言語”。 - やりとりの感覚(コミュニケーションの始まり)
大人が手を振って赤ちゃんも手を振る。それは「順番」「呼びかけに応える」という、人との関わりのリズムを学んでいる証拠です。
この時期は、いわゆる「三項関係(自分と相手と”ものごと”)」がぐっと発達するタイミングでもあります。
こうした“身ぶりのやりとり”は、ことばが出るための大事な前段階です。
できない=異常、ではない
健診で「バイバイできないんです」と焦るママがとても多いのですが、実はそれだけで心配する必要はありません。
バイバイやパチパチは練習の機会がなければ自然には出てきにくいこともよくあります。
たとえば家族があまり「バイバイ〜」と手を振るような機会がなければ、当然できにくくなります。また人見知りが強いあかちゃんだと、なかなかやるチャンスもなければ、パパママが見るチャンスも当然少なくなりますね。
日常でできる“働きかけ”のヒント
あかちゃんの模倣力やコミュニケーション力を育てるには、日常のちょっとした遊びがとても効果的です。
「いないいないばあ」
目と目を合わせ、相手の反応を楽しむ“やりとり”が育ちます。
「バイバイ〜」と毎回声をかける
お出かけやお風呂上がりなど、毎日の決まったシーンで手を振ると、あかちゃんが意味を学びやすくなります。
「パチパチ」をいっしょに楽しむ
できるようになるまでは、大人が赤ちゃんの手を軽く持ってパチパチしてみるのもOK。音と動きや感触をリンクさせて楽しみながら、遊びのコミュニケーションの一つにしたり、意味付けしてやってみたり。
てあそび(例:グーチョキパーやトントントントンアンパンマン)
決まったリズムと動作をくり返す遊びは、模倣とリズム感を育てるチャンスです。
どうしてこの時期に大切なのか
「身ぶりをまねする」というのは、あかちゃんの社会的・認知的なスキルの集大成です。この力は、のちの「言葉のやりとり」や「気持ちの共有」の土台となります。
健診でチェックするのは、あかちゃんの「言葉の発達に繋がる、社会的コミュニケーションの土台が整っているかどうか」なんです。
まとめ!
バイバイやパチパチがまだできなくても、それは「練習不足」なだけのことも多いです。
焦らないで。毎日の生活の中で楽しく“やりとり”のチャンスを増やしてみてくださいね!
