栄養学的に必要な離乳食初期の食材のお話 ~“補完食”という考え方~【小児科医が解説】

離乳食

「離乳食、最初は何をあげたらいいの?」

おかゆは10倍がゆ、野菜ペースとから…いろんな情報があふれていて迷いますよね。

実は、離乳食は“練習”という意味合いもありますが、もうひとつ大切な役割があります。
それが “補完食(complementary foods)” という考え方です。

補完食ってなに?

母乳やミルクはとても優れた栄養源ですが、それだけでは生後6か月頃になるとエネルギーも、栄養素も不足してきます。
栄養素でいうと、特に 鉄・亜鉛・ビタミンD などは母乳だけでは十分にまかなえません。

そこで、母乳やミルクを「補う」役割をするのが 補完食=離乳食 なのです。

離乳食というのは「乳」から「離れる」ための食事ではなく、「乳」に「補っていく」=
補完食という考え方が大切なんです!

なので、離乳食が始まったら、授乳を減らす、と捉えるのではなく、
授乳はそのままで足りない栄養を補っていく、と、考えるようにしてくださいね!

例えば、、、

上のグラフを見てください。これは月齢別のあかちゃんに必要なエネルギーと母乳から補える量の差を示したものです。6ヶ月以降、母乳からだけだと必要量は補えないのがわかります。

※WHOのガイドラインをHPから見ることもできます。

そして、、、これが乳児期後半の「不足しやすい栄養素No.1!」
鉄は血を作る成分としてとても大切です。

先程お見せしたエネルギーの不足を示したグラフの「鉄」バージョンです。
鉄に関しては母乳からは全く補えていないのがわかるでしょうか?ピンク色の部分、出生時の貯蔵鉄も半年で枯渇してしまいます。

そんな鉄は、母乳からはほとんど移行せず、また乳児期の鉄不足を補うためにあるあかちゃんの貯蔵鉄(体内に持っている鉄の貯金)は、生後6ヶ月頃から減少することがわかっています。

今の育児用ミルクは鉄が必要分付加されているので、鉄欠乏が進む可能性は低いのですが、
母乳で育っているあかちゃんは半年を過ぎた頃から鉄欠乏を起こす可能性が高く、注意が必要です。

そして鉄不足が注意な理由は、不足すると貧血だけでなく、脳の発達や運動能力に影響することもあると言われているからです。

亜鉛

亜鉛は 細胞分裂や免疫機能に必要なミネラル。母乳中の亜鉛は月齢が上がるにつれて減ってしまうため、離乳食からの補給が大切です。育児用ミルクでは適切に付加されているため、欠乏症状は起きません。

治りにくい湿疹や皮膚炎(特に眼のまわり、口のまわり、鼻の穴、耳のまわり、肛門のまわり、四肢末端など)、体重増加不良、発育の停滞などをきたすことがあります。

ビタミンD

ビタミンDは カルシウムの吸収を助け、骨を強くする栄養素。母乳中には少なく、食事(ミルク)から摂るか、日光(紫外線)の力を借りて皮膚で生合成されるかしかありません。

離乳食が適切に進められており、多少の日光浴ができておれば不足は心配ありませんが
完全母乳栄養で冬季の北日本で日光浴させにくい場合などは離乳食前からサプリで補う等が必要です。

母乳・ミルクはまだ主役!

補完食=離乳食が始まっても、母乳やミルクはまだ主役です。
1歳頃までは母乳・ミルクから栄養の多くをとって育ちます。

”離乳食が始まったら授乳回数は減らした方が良いの?”
”どのくらいになったら何回にするの?”
というようなご相談もあります。

どれくらいの量、どんな種類のものをご飯から食べれているのか?
また、ママのおっぱいの状況や保育園入園に向けての準備等、状況は様々なので
答えは一つではありませんが、
基本的には離乳食が始まっても母乳・ミルクはまだまだ主役です!

離乳食が始まったら、授乳を減らす、と捉えるのではなく、
授乳はそのままで足りない栄養を補っていくと、考えるようにしてくださいね!

まとめ

離乳食は授乳・ミルクからご飯に「変えていく」のではなく、授乳・ミルクで摂りきれない栄養を「補う」モノ!
この補完食という考え方を忘れないようにしていてくださいね。

離乳期に補完すべき栄養素をどうやって離乳食に入れていくか?も具体的にご紹介したいと思います。

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