こんにちは。ぐんぐん院長のサチコです。
前回、前々回とあかちゃんの湿疹やアトピー性皮膚炎との違いなどについてお話してきました。
今日はアトピー性皮膚炎の治療の基本である外用薬の塗り方、「プロアクティブ療法」についてお話していきますね!
外用薬の塗り方の基本は、
① 炎症をしっかり抑える
② 良くなったあとも再燃を防ぐ
③皮膚を育てる
この3段階になります。
外用のNGポイント ― 薄く塗る・すぐやめる
外来で外用治療の効きが悪いというときによくあるのがこれ。
- 薄く塗る(量が少ない)
- 赤みが引いたらすぐやめる
ステロイドは怖い、という気持ちが背景にあることも多くあります。
でも実際は逆。
中途半端に塗る方が、長引きます。
炎症というのは、氷山のようなものです。
表面の赤みが消えても、皮膚の奥にはまだ炎症が残っています。
そこをきちんと消さないと、すぐぶり返します。
正しい塗り方
基本は「FTU(フィンガーチップユニット)」という考え方です。
これは人差し指の先端から第一関節までチューブから絞り出した量が約0.5gで、両方の手のひらに塗る量に相当するという塗り方です。
(注意:ただし、この場合、絞り出した量が約0.5gになるのはヒルドイドなどの25gや50gの大きいチューブです。モイゼルトもです。
口径の小さい5gチューブでは0.2g程度、10gチューブでは0.3g程度となります。)

1FTUを用いた塗る量は少し多いなと感じると思いますが、軟膏やクリームはたっぷり塗ることで十分な効果が得られます。逆に、塗る量が少なすぎると十分な効果が得られず、長期間塗らないと病気が治らないことがあります。
ポイントは、
- すり込まず
- やさしく広げる
- テカるくらいでOK
“塗り込む”必要はありません。皮膚はスポンジではないのです。
プロアクティブ療法とリアクティブ療法
昔は「悪くなったら塗る(リアクティブ療法)」治療が基本でした。

今は「良くなってからも、週に数回塗って再燃を防ぐ」プロアクティブ療法が基本になっています。
一度しっかり炎症を抑えたあと、
- 週2回程度
- 症状が出やすい部位に
- 少量の抗炎症外用剤を継続
することで、再燃率が大きく下がります。

これは国内外のガイドラインでも推奨されている方法です。
「まだ塗るんですか?」ではなく、
「ぶり返させないために塗る」という考え方です。
ステロイドは怖い?
適切な強さを適切な量で適切な期間使う。これが守られていれば、安全性は高いです。
むしろ炎症を放置するほうが、
- 皮膚が硬くなる
- 色素沈着
- かゆみの慢性化
- 治療を開始してから治るまでも時間がかかる
ことにつながります。
炎症は火事です。
消火せずに見守るのは優しさではありません。
保湿は土台
抗炎症外用剤(ステロイド)で炎症を抑え、
保湿はその後の「バリア機能の修復」に必須です。
毎日コツコツ塗ることで、
バリア機能が整っていきます。
炎症を抑える=適切な量の抗炎症剤を使用
ぶり返させない=プロアクティブ療法
皮膚を育てる=保湿をしっかりと
この3段階がとても大切なんですね。うまくいかないな、という感覚の人は
これを一つずつ見ていってください!
やってるんだけど、落ち着かないな、という場合は
何か他の方法があるのかもしれません。ぜひ、外来でご相談ください!
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