こんにちは。ぐんぐん院長のサチコです。
今回から3回にわたって、HPVワクチンについてお話しします。
「子宮頸がんワクチンのお知らせが届いたけれど、どうしよう」
「昔、副反応が問題になっていませんでしたか?」
「大丈夫なんでしょうか?」
診察室でも、よく聞かれるご質問です。
そうですよね。
大切な子どもに受けさせるワクチンです。
しかも、以前ニュースでいろいろな症状を見聞きした記憶があれば、不安になるのは当然だと思います。
今日はまず、
HPVワクチンは、なぜ一度勧められなくなり、今また勧められているのか?
ここを整理してみますね。
HPVって何?
HPVは、Human Papilloma Virus(ヒトパピローマウイルス)の略称です。
主に性的な接触によって感染しますが、決して特別な人だけが感染するウイルスではありません。
多くの人が、生涯に一度は感染する可能性がある、とてもありふれたウイルスです。
(海外では、性交渉の経験がある男性なら91.3%、女性なら84.6%の人が一度は感染するともいわれています!びっくりしませんか?!)

感染しても、多くは自然に消えていきます。
ただし、一部の人では感染が長く続き、何年もかけて子宮頸がんの前段階や、子宮頸がんへ進むことがあります。

つまり、子宮頸がんは、
①ウイルス感染が原因
②ワクチンで感染を予防することで罹患を防ぐことができる
のです。
なぜ接種の勧めが止まったの?
HPVワクチンは、2013年4月に定期接種になりました。
ところが接種後に、
- 体の広い範囲の痛み
- 手足の動かしにくさ
- けいれんのような動き
- 倦怠感やさまざまな体調不良
などが報告され、大きく報道されました。
そのため国は2013年6月から、接種そのものを中止したわけではありませんが、対象者へ個別に接種を勧める「積極的勧奨」を一時的に差し控えました。
「危険なワクチンだと分かったから、中止された」
と思っている方も多いのですが、少し違います。
当時は、
接種後に起こった症状について、詳しく調べる時間が必要だった
ということなのです。
その後、どうなったの?
接種勧奨が止まっていた約8年間
国内外で安全性や有効性について多くの調査が行われました。
その結果、専門家による再評価が行われ、
- 安全性について、積極的勧奨を止め続けるほどの懸念は認められない
- 子宮頸がんを予防する効果が、副反応のリスクを上回る
と判断されました。
そして2022年4月から、対象者へ個別に接種のお知らせを送る積極的勧奨が再開されました。
何となく再開されたわけではありません。
長い時間をかけて、もう一度検証された上での再開です。
今、無料で受けられるのは誰?いつまでにスタートしなきゃならない?
2026年現在、定期接種の対象は、
小学校6年生から高校1年生相当までの女の子
です。
現在定期接種で使用されるのは9価HPVワクチン「シルガード9」です。
1回目を15歳になる前に受ければ、原則2回。
15歳になってから始める場合は、原則3回接種です。
「高校1年生まで無料なら、まだ先でいいかな」
と思うかもしれません。
でも、中学生になると部活、定期テスト、受験……。
驚くほど予定が合わなくなります。
ワクチンあるあるです。笑
セクシャルデビュー前に接種した方が良いことを考えても、
できるだけ早期に、2回で終了できる時期に検討してほしいと思います。
そして、最低でも高1の9月からスタートしてください。
(短縮バージョンでいくと、ギリギリラインは初回が高1の11月です。)
ただ…ギリギリで接種開始となると、体調不良などで期間内に打てずに、「自費接種」となる可能性があるので注意してくださいね!
接種するかどうかは、本人とご家族が決めます
HPVワクチンは、強制されるものではありません。
効果も、副反応も知った上で、ご本人とご家族が納得して決めるものです。
ただ、
「何となく怖いから、そのままにしていた」
という理由で、公費で受けられる期間が終わってしまうのは、少しもったいない。
まずは、正しく知るところから始めてみてください。
次回は、「それでも副反応が心配です」
という一番大きな不安についてお話ししますね。



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