こんにちは。ぐんぐん院長のサチコです。
外来でとても多いご相談のひとつに、
「もう5歳なのに、まだおねしょをします」
「小学校までに治さないとまずいですか?」
というもの。
まず、最初にお伝えしたいこと。
5歳でおねしょがあること自体は、決して珍しいことではありません。
昼間のおしっこはコントロールできていても、夜のおしっこはまた別。
夜間の尿をためる力、寝ている間の尿量を調整する力、膀胱がいっぱいになったときに目が覚める力。これらは少しずつ育っていきますし、個人差があります。夜間の排尿コントロールは、昼間より時間がかかることがあります。
「おねしょ」と「夜尿症」はどう違う?
医学的には、5歳以上で、寝ている間のおもらしが月1回以上あり、それが3か月以上続く状態を「夜尿症」と呼びます。夜尿症診療ガイドライン2021でも、この定義が示されています。
つまり、おねしょ=夜尿症、ではありません!
このグラフでもわかるように、5歳で夜尿症の子は20%(5人にひとり)います!!

小児泌尿器科学会HPより
原因は「育て方」でも「性格」でもありません
ここは、かなり強調したいところです。
夜尿症は、
親の育て方の問題ではありません。
本人の甘えでも、だらしなさでもありません。
睡眠中に膀胱がいっぱいになっても目が覚めにくいこと。
夜間につくられる尿の量が多いこと。
寝ている間に膀胱にためられる尿の量がまだ少ないこと。
これらが組み合わさって起こります。
まず大切なのは、怒らないこと
おねしょが続くと、洗濯も大変です。布団も大変です。
朝から大変、、、ということもありますよね。
でも、ここで怒っても、夜尿症はよくなりません。
むしろ本人が「また失敗した」「自分はダメなんだ」と感じてしまうと、自尊心が下がってしまうことがあります。
おねしょ対策の基本は、
怒らない
比べない
焦らない
無理に起こし続けない
です。
それともう一つよくご質問を受けることですが、
毎晩親が無理に起こしてトイレへ連れて行くことは、基本的にはおすすめしません。日本小児泌尿器科学会も、生活指導の基本として「中途覚醒を強制しないこと」を挙げています。
夜間に起こしてしまうと、
おうちでできる生活の工夫
まずは『生活を整えること』が基本です!
朝から夕方までは、必要な水分をしっかりとる。
夕方以降の水分をコップ1杯くらいにする。
寝る前には必ずトイレへ行く。
夕食が遅くなりすぎないようにする。(遅くとも2時間までには終わらせましょう!)
塩辛いものをなるべく食べない。
便秘を放置しない。
体を冷やしすぎない。
水分を減らす、というより、飲む時間を前半に寄せるイメージです。
また、便秘は夜尿症に関係することがあります。診療ガイドラインでも、初期診療では排尿だけでなく排便習慣の確認が重要とされています。
「便は毎日出ています」と言っていても、実は硬い便がたまっている子もいます。
うんちの状態も、ぜひ見てあげてください!
受診した方がよいサイン
5歳でたまにおねしょがある、というだけなら、まずは生活を整えながら見守ってよいことも多いです。
ただし、次のような場合は小児科や小児泌尿器科で相談してください。
- 昼間のおもらしもある。
- 便秘が強い。
- 一度半年以上おねしょがなくなっていたのに、急に再開した。
- 急に水をたくさん飲む、体重が減る。
- 本人がとても気にしている。
- 小学校入学後も続いている。
- 毎晩のように夜尿がある。
治療はあります
夜尿症は「ただ待つしかない」ものではありません!
まずは生活指導や行動療法を行い、それでも改善が乏しい場合には、
夜間の尿量を減らす薬や、夜尿アラーム療法などを検討します。治療法は、お子さんのタイプによって変わります。
宿泊保育、キャンプ、修学旅行などが近づくと、本人もご家族も急に不安になります。その前に。ぜひご相談ください!
まとめ
5歳でおねしょがあることは、珍しいことではありません。
でも、
「まだ様子を見ていい」
と
「そろそろ相談した方がいい」
の境目を知っておくことは大切です。
夜尿症は、本人の努力不足ではありませんし、ママ、パパの育て方のせいでもありません!
大切なのは、身体の発達を理解しながら、
本人の心を傷つけずに、必要なタイミングで医療につなげること。
困ったときは、一人で抱え込まずに相談してくださいね。
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